業者選びの基本中の基本: 複数の業者から相見積もりを取ること。
そうなんです。業者さんを選ぶとき、相見積もりを取ることはとても重要です。
ですが、私はそこを外してしまったのでした。
不動産屋さんを通して見積もりを取ったリフォーム会社が「防音工事の経験がないので詳しいことは分かりません」と言われた後、私はあまり深く考えずにインターネットで「○○市防音工事」と検索して一番上に表示された会社に電話をしました。ピアノを弾くので防音工事をしたい旨伝え、現地調査に来てもらう日時を決めました。
現地調査当日、私が実際にピアノを弾いて、担当者(兼社長さん)が小型デジタル騒音計で屋外にどの程度ピアノの音が漏れているかを測定してくれました。それによると、ピアノの横の出窓(南側)ではほとんどピアノの音が生音くらいに聞こえること、それからリビングルーム(南側)の反対(北側)の勝手口のすぐ外でも90デシベル程度まで数値があがったとのことでした。
当初私は、「まずは2重窓にしよう」と考えていたのですが、社長さんのお話では壁からも音はかなり漏れるので、窓だけでは不十分で、壁の防音も必要だとのことでした。なるほど。これには私も納得しました。
そこで、この業者さんが使っている断熱材についての説明がありました。海外製の断熱材で、木屑を固めたもの。日本で一般的に使われているグラスウールやロックウールに比べると、防音効果が格段に高いのだそう。「グラスウールがスカスカ」なのに対してこの業者さんの使っている断熱材は「ぎゅっと詰まっている」から、とのこと。
そして、この工事をすればピアノの音は「55デシベルくらいになる」と言われました。55デシベル。なかなか分かりにくい数値ですが、通常人が話している声が60デシベル程度とされています。ということは、壁から外に漏れるピアノの音が、そこで人が話しているのよりも小さくなるわけですから、夜遅くピアノを弾かない限り問題ないレベルです。そこまで防音できれば大丈夫だろう、と私は思いました。
さて、外に音が漏れるのを防ぐための防音とはべつに、ピアノを弾くときの私の耳に対する負担を軽減するために、室内に吸音するための施工を施したいことも伝えました。すると、それなら大建工業のオトカベを使えばいいのではないかと提案がありました。
オトカベに関しては、以前不動産屋さんを通して見積もりをとったときにも提案がありました。その時はピアノを置く付近にだけオトカベを施工するというプランの提案でしたが、この業者さんによると一部分だけだと効果が見込めないので部屋全体に施工する必要があるとのことでした。
この日の調査をもとに、オトカベ施工あり、オトカベ施工なしの二通りの見積もりを後日メールで送ってもらいました。