工事を放棄されて宙ぶらりん状態のまま、日が経っていきます。私は契約を解除したのに相手はそれを受け入れようとしません。
どうしていいか分からないまま、私はこの時期何人もの弁護士さんに相談に行きました。県や国の相談窓口にも電話をしました。当初私は、払い込んだ契約金を返して欲しいと考えていました。もちろん、民法に定められているとおり、これまでの工事の出来高分の費用は払う義務があるとは承知していましたが、取りつけ途中のドアは汚れや変色、傷のある状態の悪いものでしたし、天井のクロスは剥がされてしまっているし、そもそもこんな状態で工事は放棄されているしで、払い込んだ金額はどう考えても払いすぎだったからです。
ただ、いろんな人に相談するうちに、払い込んだものを返してもらうためには裁判をするしかないことが明らかになってきました。工事を放棄されて損害を被っている上に払い過ぎた分が戻ってこないなど、到底受け入れられるものではありませんでしたが、同時に、工事を突然放棄するような業者さんが払い込んだ金額を素直に返してくれるとも到底思えませんでした。
かといって、裁判をすると莫大な時間と費用がかかります。ある弁護士さんからは、裁判にともなう費用や精神的負担を考えると、これはそもそも裁判するような案件ではないとすら言われました。
返金してもらえるかどうかは別として、相談した全ての弁護士さんや相談窓口の皆さんには「このまま止まっていても仕方がないから別の業者さんを見つけて先へ進んだほうがいい」と言われました。
確かに。このまま止まっていてもいろんな意味で負担が大きくなるだけ。契約は解除したのですから、次の業者さんにお願いして工事を進めていいんですよね。
ところが、です。
地元のいくつかの業者さんに事情を話したところ、どの業者さんも用心して引き受けてくれないのです。
特に今回は、放置されたやりかけの工事の続きをやって欲しいとお願いしているわけですから。少なくとも、置きっぱなしになっている資材の所有権がどちらにあるのかだけに関してはきちんと書面にしてもらわないと困ると言われ、私もそれは尤もだと思いました。
はぁ。あの社長さんが、そんな容易に一筆したためてくれることはないでしょう。
戻れない。でも先にも進めない。あ~先は長いなあとため息をつくしかありませんよねぇ。