さて、最初に現地調査をしてもらったとき、部屋の中の反射音から自分の耳を守るために何らかの手段を講じたいという相談をしたところ、大建工業のオトカベを使うという提案がありました。
オトカベは以前から名前だけはよく知っていました。その時点ではオトカベという製品について詳しくは知りませんでしたので、ピアノ付近の壁にだけオトカベを施工したいと言うと、部屋全体に施工しないと意味がないと言われました。
契約時にはオトカベの色を決めなければならないそうで、オトカベの色のサンプルを送ってもらうことになりました。郵送されてきたのは、大建工業のウェブサイトのオトカベの商品説明部分を印刷したものでした。私は「オフホワイト(ネオホワイト?)」を選択。
さて、ある日、大工さんたちがオトカベの厚みについて話しているのを小耳にはさみました。「(オトカベで)壁が5ミリちょっと出っ張るから・・」
あれ? 5ミリ?
大工さんに尋ねると、オトカベを石膏ボードに直接貼る予定だそう。
んー?
そこでオトカベの製造販売元である大建工業のサウンドセンターに電話をしてオトカベについて聞いてみました。
オトカベL80自体の厚みは5.6ミリ。ただし、オトカベの後ろの壁を少なくとも45ミリ以上は増(ふか)し、そこに吸音ウールやロックウールなどを入れて空気層を作るのが必須なのだそう。こうすることでオトカベL80の穴を音が通過し、その向こうの吸音ウールで吸収されるという仕組み。石膏ボードに直接貼っていいのかどうか尋ねると、「オトカベはそういう使い方をする製品ではありません。石膏ボードに直接貼っても音が反射するだけで、効果がありません。」と言われました。
さらに、L80は中低音を主に吸収するため、ピアノを置く部屋で4面全ての壁にL80を使うと音のバランスが崩れてしまうのだとか。1面にL80、残りの3面はS3を使ったほうがいいとのことでした。
私がピアノを置く予定のリビングルームの間取りや広さを説明し、予算もそれほどかけられない旨も伝えたところ、初めにやるならオトカベではなくてオトテンではないかとも言われました。壁際には本棚を置いたり家具を置いたりすることで凹凸ができ、それだけで吸音効果が見込めるけれど、天井は凹凸がつけにくく、音の反射を最もコントロールしにくいところだから。
あちゃー。