昨夜は気温が高く、楽しみにしているツヅレサセコオロギの声が長いこと途切れずに響いていました。それだけでなく、カネタタキも。こちらはチッッッチッッッチッッッとゆっくりでしたが。そして遠くからはアオマツムシが・・・
と思いきや、自分の耳鳴りがうるさくてよく聞こえず。
この煩わしい耳鳴りとも20年来の付き合いとなりました。最初に耳鳴りに気づいたのは私がアメリカに住んでいた頃で、ストレスか何かかなあとあまり気に留めていませんでした。気づいて半年ほどしたときに実家に帰省する機会があったので、近くの病院に行ってみました。お医者さんはビタミン剤を処方するだけで何の説明もない。そこで、こちらが「治るまでにどれくらいかかりますか？」と尋ねると「治りませんね」とあっさり。
えーー？！ ショックを受けた私はそれから必死で耳鳴り専門医を探し、飛行機に乗って東京のとある大学病院まで診察を受けに行きましたよ。私は曲がりなりにも音楽を仕事にしていますから、耳の調子が悪くなってもらっては困るんです。
急に出かけたので最初はお目当ての先生にはみてもらえず、インターンの女医さんの診察でした。うーん、忙しいのは分かるんですけど、この女医さんは私が心配しすぎだと思ったのでしょう。最後には面倒くさそうに「だ～か～ら～、この耳鳴りで難聴になることはありません！」
せっかく東京まで行ったのですから、やはりお目当ての先生にも診ていただきたい。ということで、その場で予約を取って出直しました。こちらの先生は穏やかな方で、耳鳴りの原因はまだきちんと解明されておらず、治療法も確立していないこと、私は耳の神経等には異常が見られないことから、難聴の前触れとしての耳鳴りではなさそうなことなどを話してくれました。
そう、いろいろ検査しましたが、特に異常はみられなかったんですよ。厄介なことに、耳鳴りは確実に私には聞こえているんですが、第三者にそれを証明することができません。私の耳鳴りはセミしぐれのような高周波なのですが、人によっては低周波だったりもするらしいですね。でも、それもすべて耳鳴りのある人の自己申告によるものですからね。
そんなわけで、いまだに耳鳴りは治っていません。耳鳴りに効くとされるサプリを飲んでみたりストレッチをしてみたり、ありとあらゆることをしてみました。が、残念ながら私には効果は感じられませんでした。聴覚検査は正常範囲内ですが、あのピーという音が耳鳴りの周波数と重なったら確実に聞こえないはずです。
でもまあ日常生活には支障をきたさないから問題ない・・・とするしかないんでしょうね。ピアノを弾くのにも、今のところ特に問題は感じていません。また、日によって耳鳴りが大きく聞こえたり高さの違う音が数種類同時に聞こえたりもしますが、全体的に見て以前と比べて症状がひどくなっている気もしません。
さて、この耳鳴りは治らないとお医者さん方からは断言され、私自身もある程度諦めてはいるのですが、だからといって希望を捨てたわけではないんですよ～。そもそも原因が分からないんだし、何かの拍子にフッと耳鳴りが消えるかもしれない。そしてまた私に「静寂」が戻ってくるかも。遠くから聞こえるアオマツムシも変な高周波に邪魔されずに楽しむことができる日がくることを願いつつ・・。
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