ヘルマン・ヘッセの「蝶」

おしゃべり

今日は照ったり陰ったり。窓からぼんやり外を眺めていると、モンキチョウが目の前を「ちらちら」と通り過ぎていった。寒くなってきたのにまだいるんだなあ。

そのときふと思いだしたのがヘッセの「青い蝶」。

青い蝶 
   
一羽の小さい青い蝶が
 風に吹かれて飛んでゆく
 真珠母色のにわか雨が
 きらきらちらちら消えてゆく 

そのように一瞬きらめきながら
 そのように風に飛ばされて
 幸せがわたしに合図しながら
 きらきらちらちら消えていった    
                   
岡田 朝雄  訳

この詩は私の大好きなもののひとつ。そしてここにある「ちらちら」が、今しがた私が見かけたモンキチョウの飛び方そのもので、それがこの詩を思い出した所以。

少し話がずれるが、私はヘッセの「蝶」というエッセイ集が好きで、近所の図書館で繰り返し借りては読んでいた。ところが、新しい土地に引っ越してきて図書館へ立ち寄ってみると、「蝶」は置いてなかった。どうしても読みたくなって駅前の本屋さんへ足をのばし、そこではじめてこの本が絶版になったことを知った。なんて残念なこと。幸い、古本としてはたくさん出回っているらしいので、なるだけ状態のいいものを探してみるつもり。この本は是非とも手元においておきたい。

(ちなみに、「青い蝶」は「庭仕事の愉しみ」というエッセイ集に収録されているが、こちらも単行本は絶版になっているらしい。残念、残念。)

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